Perfumeという奇跡

Dream Fighter

Dream Fighter

Perfumeの武道館ライヴ、
あれはどう見ても「奇跡」だった!


キラキラ舞う金粉のなかで、
天使たちが「なんでわたしらが天使なんじゃろうね? へんじゃろ」とかいいながら、
無邪気に笑いあい、飛びはねている。
私には、そんなふうにうつりました。


それで思い出したのがこの話。

■私が99年2月にインタビューの機会をもったキングクリムゾンのロバート・フリップが、こんなふうに言った。67年から69年までの三年間は「恩寵の扉」が開き、さして才能のないミュージシャンにさえ、開いた扉から光が降り注いだ──と。彼は続けてこうも述べた。
■プロのミュージシャンならば誰でも年に一度は素晴らしいライブを体験できるものだ。ところが「恩寵の扉」が開いていた頃、年数十回のライブ全てで、奇跡が起こった。演奏するたびにありえないことが起こり、日常世界の破れ目から「非日常」が飛び込んできた。

http://www.miyadai.com/index.php?itemid=147&catid=4

宮台真司×ロバート・フリップという組み合わせにクラクラするが、それは置いといて。
フリップいうところの「恩寵の扉」が開く感覚、
Perfumeのライヴが、まさにそうだった。


自分の記憶をたどると、いままで何度かそんな体験がある。
ひとつは89年〜91年頃のマンチェスター/インディ・ダンス・ムーヴメント。
ストーン・ローゼズをはじめ、ペイル・セインツ、ファイヴ・サーティなどなど、
すごいバンドがボコボコ出てきて、しかも出るレコード出るレコードすべてがすばらしく、
音楽を聴くのが楽しくてしょうがなかった。
ローゼズの初来日公演(89年)は残念ながら見逃した。
当時の自分は広島で浪人中。『ロッキング・オン』には、いかにこのライヴが衝撃的な「事件」だったか記されていた。くやしかったなあ。
その後、上京して95年に武道館で観たローゼズの再来日ライヴは、
「いいロック・バンド」の「いいコンサート」だった。
「事件」ではなかった。
魔法は解けていた。


その次の「奇跡」は、94年のジャングル/ドラム&ベースだった。
これまた出るレコード出るレコードがすばらしく、毎日狂ったように聴いていた。
そういやいま思い出したんだけど、
あの頃芝浦『GOLD』でジャングルのイベントやってたんだよ!
客は30人ぐらいだけど『GOLD』のでっかいシステムで聴くジャングルは最高だったなあ。
ジャングル/ドラム&ベースがきっかけで、クラブに死ぬほど通った。DJもはじめた。
それが高じて、その後『remix』で働くようになったんだけど、
自分もスタッフとして参加したLTJブケムやファビオ&グルーヴライダーの来日イベントは楽しかったなあ。


自分の記憶のなかで、Perfumeに匹敵する音楽体験はそんなところ。
武道館ライヴの様子は深町秋生氏の日記に詳しいのでぜひ読んでほしい。
作家ならではの鋭い洞察とあふれんばかりのPerfume愛があいまって、
なんとも味わい深くほほえましいレポートになっている。
俺が現役編集者だったら、絶対この人にPerfumeのインタビュー依頼しますよ。
ほかのインタビュワーには引き出せない深い話が聞けるはず。
誰かたのむ!