ティミー・トーマス『Why Can't We Live Together』

Why Can't We Live Together

Why Can't We Live Together

リズム・ボックスとオルガンのきわめてシンプルなバッキングとティミーの朴訥な歌声だけで作られた奇跡のマン・マシン・ソウル・ミュージック。


下手するとたんに貧乏くさい宅録弾き語りになりそうなのに、音の隙間を生かした緊張感の高いアレンジと、崇高な人類愛を歌うティミーの精神性があいまって、冷たくも温かい、奇跡のような作品となっている。


その後の作品を聴くと、彼がこのストイックなスタイルのみならず、モダンなR&Bやファンクのトラックも歌いこなせることがわかるのだが、やはり『Why Can't We Live Together』がもつ孤高の響きは格別だ。


デトロイト・テクノが好きな人にもおすすめしたい。スタイルは違えど、「Strings of Life」とおなじ魂の鼓動がある。