キンメリアのコナン

ディ・キャンプ&ニューベリィ『復讐鬼コナン』(ハヤカワ文庫)読了。
これを認めないコナン・ファンも多いと聞いていたので気構えて臨んだのだが、おもしろいじゃん!
ただ、嫌いな人がいるのもわかる。ハワード特有のドスや凄みにはあきらかに欠ける。
そのぶん、ファン・サービスは満点。過去の戦場を訪れ、懐かしい人々と再会するエピソード(デビ・ヤスミナ!)なんかがふんだんに散りばめられていて、トリビュート/リミックスとしては悪くないし、堪能した。
そういや創元社の新訂版コナン全集はまだ読んだことないんだよな。読んだ方、どなたか感想を聞かせてください。


ムービープラスで『コナン・ザ・グレート』(原題:”Conan The Barbarian”)を放送していたので録画した。アーノルド・シュワルツェネガー演じるところの無口で鈍重なコナンは、ハヤカワ育ちの俺がイメージする知的で俊敏なキンメリアの野蛮人とはちょっとイメージが違うが、これはこれで血生臭くて陰鬱で、大好きな映画だ。


とかなんとか考えながらネットを眺めてたら、なんと、新作映画ができてるじゃん! 観たい!!

Conan the Barbarian 3D

http://www.conanthebarbarianin3d.com/


■雑記
※アタックの直後に細かいビブラートをかける、「を」を「うぉ」と発音する、スラーをしない(音階をカクカク変化させる)のが、いまのJ-POPシンガーの歌唱法の特徴だと思う。ラウドネス・ウォーの時代にふさわしいとは思うが、俺は好きになれない。
教育テレビの『0655』でやってたデーモン小暮が歌う「toi toi toi」に違和感を覚えたポイントもそのあたり。昔はあんな歌い方じゃなかったんだが、いまはあれがスタンダードになっちゃってるんだろうな。


※「最初に二次元に浮気したのはあっちだし」
↑祖師ヶ谷商店街ですれ違った女子高生が携帯電話に放ったフレーズが鮮烈すぎたので、ここに記録する。


※『怖い噂』の記事、今回も凄絶でした。
解き放たれた核という呪い、サヨナラノツバサ広瀬隆 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
http://d.hatena.ne.jp/oizumi-m/20111103


※「屠畜場」という言葉をめぐり表面化する「言葉狩り」の現在。ちなみに『世界屠畜紀行』は『部落解放』で連載されており、単行本は解放出版社から刊行されている。
内澤旬子 空礫絵日記 : 屠畜場という言葉を巡って
http://kemonomici.exblog.jp/17048386/


TOKIOの『ドリランド』外宣カーが渋谷の街を走っている。ロバート・E・ハワードの『コナン』から80年。ニッポンのヒロイック・ファンタジーは、むき出しのエクスプロイテーションになり果てた。ジャニーズ、越えちゃいけない一線を越えちゃったんじゃないかなあ。