『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』『劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えて』

本日は豪華特濃二本立て!
魂の充電フルチャージ満タン💖

『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』

見終えて放心状態でとりあえずメモったこと:
イデオンみたいだった
ARBが預言書のようだ
・すんごくポジティブな話になってた

10年前に比べて世の中が絶望マシマシになったので、RE:cycleは希望マシマシの物語になった。
カルト2世問題がタイムリーにシンクロしたのは幾原邦彦が10年前の時点で近未来を予見してたからなんだけど、RE:cycleはそこをグッと深くえぐって近未来のさらに先の未来と希望を幻視する。

随喜の涙。

 

そしてまたしてもARBである。エンディングクレジットに流れる「石橋凌」「白浜久」の文字の多さよ。

後編ではトリプルHによる「After '45」が重要なシーンで流れる。俺が15歳のとき「なんか変な曲だなあ」と思い、澱のように心の底に残り続けていた曲。

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「After '45」は失われたパズルのピースのようにこの戯曲の重要なシーンに嵌った。

www.youtube.com幾原邦彦は『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』で戦後日本の歴史を回視し、返す刀で僻遠の未来を幻視する。
寺山修司の影響を思えば当然か。

realsound.jp物語の根源にグッと深く突っ込んだ論考。
私たちが95年のオウムを総括できなかったから、統一教会はわが国の中枢に食い込んだ。

もっといえばわが国が挙国一致でカルト化した先の戦争、こと日中戦争を総括できなかったからオウムと統一教会が跋扈した。

幾原邦彦が「After '45」を引用したのはそういうこと。

 

『劇場版 Gのレコンギスタ V 死線を越えて

Gのレコンギスタ』は福音書ピングドラムの「運命日記」みたいな話。ディストピアの正反対をやっている。未来と希望しかない。

「ヘルメスの薔薇の設計図」とは『Gレコ』そのもの、というお話でした。「元気のG」の意味がようやくわかった。

現実がディストピアそのものになってしまったので、もうフィクションのディストピアは飽き飽きなんだよ。
そういう意味では『機動戦士Vガンダム』の正しき続編。

 

『Gレコ』最大の難関は勢力分布図がクッソややこしいことなんだけど、最低限「ベルリとマスクが対立」「地球から金星まで行って地球に帰ってくる話」だけ押さえとけば、あとはボヤーっと観てもOK。

 

あと富野が言いたい本当のテーマは「宇宙開発絶対反対」。

finders.me

このインタビューはすばらしい。富野作品につきものの難解な用語や設定を読み込んだ上でなお残る『Gレコ』の主題そのものの難解さ不可解さが、これを読んでスッと溶けた。

「世界の子供たちに送る未来へのメッセージ」というわかったようなわからないようなキーワードに込められた本当の意味も。

こんなことを伝えたかったのか。そりゃー難解だわ。