SAFERGROUND SESSIONS Presents “THIRD STEPS Vol.4” レポート
文:春日 正信

9/23 札幌 BREW IT
9/24 小樽 裏小樽モンパルナス
永山愛樹、OKI、音道青心、THE人生ズを迎えて開催された「THIRD STEPS Vol.4」。
「排外主義ファックオフ!」「誰も踏まないステップで踊れ!」
SAFERGROUND SESSIONSが掲げるスローガンのもと、今回はアイヌ音楽、パンク、ブルース、そしてそれぞれの土地や人生から生まれた歌が交差する2日間となった。
音道青心

トップを飾ったのは音道青心(おんどうせいしん)。
『はだしのゲン』の反戦Tシャツでステージに登場し、まっすぐな歌とギターを響かせた。
はじめて聴くはずなのに、なぜか懐かしい。
どこか遠い記憶を呼び起こすようなメロディと、飾り気のない歌声が心に入ってくる。
反戦、平和、愛。
そうした言葉を声高に叫び、自分の身体を通して歌う。
文字通り「赤心の歌」という言葉が似合っていた。
THE人生ズ

前回のTHIRD STEPS Vol.3に続いて2回目の出演となるTHE人生ズ。
ともに生き、ともに働き、ともに音楽を楽しむ。
そんな仲間たちによるバンドから飛び出してくるのは、どうにもままならない人生を、それでも生きていくための歌だ。
喜びも悲しみも、おかしさもやるせなさも、全部ひっくるめたブルース。
生きていることそのものを音に変えていく、極上のジョイフル・ノイズだった。
酔いどれ人生に乾杯!
トークセッション
この日は永山愛樹と戸沢淳によるトーク・セッションも行われた。
TURTLE ISLAND、ALKDOなどで国内外を飛び回り、世界各地の音楽の現場を見てきた永山愛樹。
その経験をもとに、音楽と差別、排外主義をめぐる話が語られた。
音楽はたんなる娯楽ではなく、人が出会い、異なる文化や価値観に触れ、ときには自分の「当たり前」を揺さぶられる場所にもなる。
では、その音楽の現場から、いま社会で起きている差別や排外主義をどう考えるのか?
THIRD STEPSがこれまで問い続けてきたテーマが、さらに深く掘り下げられた時間だった。
OKI
dubthingによるルーツ・ダブが会場を包むなか、OKIが登場。
トンコリの音が鳴った瞬間、空間の空気が変わった。
幽玄でおごそか。音の底にはぶっといリズムがある。
たゆたう残響と強靱なグルーヴ。
OKIの歌と言葉は、ダブ・ポエットのようであり、遠い昔から受け継がれてきた警句のようでもある。
アイヌの歴史や記憶、そして現在を、自らの言葉とトンコリで語っていく。
「アイヌは政府を作らない。作ったことがない。つまりアイヌは根っからのアナーキスト」
そんなOKIの言葉に、会場から笑いとともに深いうなずきが起こる。
一方でOKIは、現在の日本社会にあるアイヌ否定論や、アイヌへの不信感についても語った。
それは、まるでドライアイスのように社会の底に沈殿している。
目に見えにくいからこそ、そこにあるものを見る必要がある。
サハリン・ロック!
OKI DUB AINU BANDの名曲が、会場に高らかに響いた。
永山愛樹

永山愛樹のアコースティック・ギターから放たれる音は、壮大で、ぶっとい。
時空を超えて吠える、アンプラグド・パンクだ。
TURTLE ISLANDの音楽が持つ土着的なリズムと、パンクの精神が、ひとつの身体から噴き出してくる。
時代の波のなかでもがき、闘う人々への思いを込めて改変された「アリラン」が胸を打つ。
古くから歌い継がれてきた旋律が、いまこの場所で、現在を生きる人々の歌として響く。
音楽は過去を保存するだけではなく、いま、この瞬間に歌い直されることで、もう一度生きはじめる。
GAZA. SIGNAL OF LIFE
9月23日の会場、BREW ITでは、ガザ出身の写真家・映画監督アメル・ナーセル(Amer Nasser)の作品を展示する「GAZA. SIGNAL OF LIFE」も開催された。


9月24日:小樽
翌9月24日は、会場を小樽・裏小樽モンパルナスに移して開催。
この日は永山愛樹とOKIによる演奏に加えて、ふたりのセッションも実現した。

「酒歌」では、ステージと客席が一緒になって声を合わせ乾杯!
さらに「自在遊睦時代到来」でもふたりの音が交差。
異なる土地、異なる歴史、異なる音楽的背景を持つふたりが、ひとつのステージで音を重ねる。
音楽が国境や世代を越えていく瞬間だった。

今回のTHIRD STEPS Vol.4には、いろんな「声」があった。
反戦を歌う声。
人生の悲喜こもごもを歌う声。
アイヌの歴史と現在を語る声。
差別や排外主義について考える声。
ガザから世界に向けて発信される声。
そして、観客が一緒になって歌う声。
それぞれは決して同じではない。
だからこそ、ひとつの場所に集まることで、思いもよらない響きが生まれる。
今回も、音楽を通してさまざまな人と出会い、考え、笑い、歌い、踊ることができた。
出演してくれた永山愛樹、OKI、音道青心、THE人生ズ、
写真展示「GAZA. SIGNAL OF LIFE」の皆さん、
最高のセレクターdubthing、
そして会場に足を運んでくれたすべての人に感謝します。
小さな一歩でもいい。
またここから、次のステップへ。
排外主義ファックオフ!
誰も踏まないステップで踊れ!












































