仏像づくりの勢いで、澁澤龍彦『高丘親王航海記』を読んだ。
ここではないどこかを目指して旅立った「みこ」の流離譚。夢とうつつを行き来するような不思議な読後感にしばし浸る。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』を思い出しながら読んだ。どこか似ている。
ブラジルでいう「サウダーヂ」の感覚も。
ファンタジーかラノベかと見まがう新装版の表紙もとてもいい。幻想文学だもんね。
願わくば、諸星大二郎バージョンも見てみたいッス。
この手のリニューアル表紙で好きなのは武田泰淳『十三妹』。www.chuko.co.jp
近藤ようこのコミック版も読みたくなってきた。book.asahi.com