ロック・ステディな週末

人にプレゼントしたりお金に困って売ったりしたレコードを2枚買い直した。たぶんどっちもCDは出ていない。

HORACE ANDY『Best Of Horace Andy』


これ、数あるホレス・アンディのアルバムのなかでも3本の指に入る名盤だと思う。
オリジナルのリリースは1974年。一聴するだけで喉の調子が絶好調なのがわかる。代名詞であるハイトーンはすらりと高く伸び、曲によってはなんとも艶っぽい低音も聴かせてくれる。独特の引きずるようなコブシ回しも全開。
選曲もすばらしい。スウィートなラスタ賛歌“Conscious Dreadlocks”をはじめ、ジョージ・マクレー“Rock Your Baby”、ビル・ウィザーズ“Ain't No Sunshine”、ポップ・トップス“Oh Lord, Why Lord”など、R&Bやポップスのカヴァーも最高。
ピンク色のジャケット・デザインも好きなんだけど、今回買ったやつ(画像参照)は豪快に黒インクがにじんでいる。これ日本なら回収するよなー。

あとこの裏ジャケもすごい。いつも眠そうなトロンとした目をしているホレスのあだ名は「Mr.Sleepy」だったそうだけど、この写真はないだろー。“Sleepy”っつーか“Stoned”な感じ。

まあそんなグダグダなところも含めて大好きなアルバム。ジャマイカ盤特有の荒っぽいプレスとスクラッチノイズも、慣れるとなんだかいとおしくなる。
ただ問題はmp3に取り込んでiPodで聴くとき。レコードだとぜんぜん気にならないノイズがmp3だとやたら気になる。
Nero Wave Editorのディクリッカーとノイズリダクションがかなり便利なんだけど、かけすぎるとノイズが消えるかわりに音質も劣化してしまうので、いろいろ設定をいじくってる最中。

V.A.『Hold Me Strong: Love Songs Jamaican Style 1972-1976』


もう1枚は英〈トロージャン〉編集のロック・ステディ・コンピ。
全曲ショウケース・スタイルで、オリジナルとダブがつながったロング・ヴァージョンで楽しめる。なんといってもB面の1曲目、デリック・ハリオット“Let Me Down Easy”につきる。涙が出るほどスウィート。