チャック・ベリーは永遠にマジカルでミステリアスだ

チャック・ベリーのギターはロックンロールの基本中の基本なので、何度となくテープを巻き戻してはコピーしまくった。
映画『Hail! Hail! Rock 'n' Roll』でキース・リチャーズに「違う、こうだ」と教えるチャックの弾き方やリズムのニュアンスを食い入るように見た。
Chuck Berry Hail! Hail! Rock 'N' Roll (1987) - Bonus Clip: Chuck & Keith Rehearse (HD)

www.youtube.com大学に入って組んだバンドで"Too Much Monkey Business"を演奏した。ヤードバーズ『Five Live Yardbirds』のバージョンだ。

The Yardbirds - Too Much Monkey Business

open.spotify.comビートルズストーンズをはじめ、ブリティッシュ・インヴェイジョン勢はこぞってチャックをコピーしたが、そこで起きるリズムの平板化が俺にとっては非常に興味深かった。具体的にはシャッフルの「ハネる」感覚が失われ、平板な4/4拍子に「翻訳」されてしまう。
チャック・ベリーが発明したロックンロールのオリジンには、のちに翻訳されていく過程で失われてしまうようなある種の「わかりにくさ」が含まれていて、いまも聴くたびにその謎が俺を魅了し呪縛する。永遠にマジカルでミステリアスだ。
サウンド・プロダクションもミステリアス。あなたが考える「音がいいレコード」はなに? と聞かれたら「1950年代のチェス・レコード」と答える。あの頃のチャック・ベリーマディ・ウォーターズハウリン・ウルフのレコードを聴くと、スタジオに魔法の粉がかかっているとしか思えない。臨場感と躍動感、立体感が比類ない。
Chuck Berry - The Chess Box

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