ベース・カルチャー

ベース・カルチャー レゲエ~ジャマイカン・ミュージック

ベース・カルチャー レゲエ~ジャマイカン・ミュージック

ロイド・ブラッドリー著/高橋瑞穂訳『ベース・カルチャー』読了。
いやーいい本ッスねこれ。いままで断片的にしか知らなかったレゲエの、サウンドシステムの歴史がすごく立体的に浮かびあがってくる。プリンス・バスターやキング・タビーがなぜあんなにリスペクトされるのかとか、ラスタがレゲエに与えた影響とか、UKジャマイカンのレゲエに対する複雑な感情や、レゲエをめぐる米国・英国・西インド諸島の政治的・経済的な動きなど、濃密で緻密な情報と証言がたっぷり詰まった一冊。ダンスホール以降のレゲエの質的低下を訴え「昔はよかった」と嘆く著者に、ダンスホールを愛する訳者が注釈やあとがきで反論するくだりも好感がもてる。高橋健太郎の名著『音楽の未来に蘇るもの』とあわせて読むと、さらに視野が広がると思う。


音楽の本を読みながら、その本に書かれた音楽を聴くのが好きだ。この本を読んでいるあいだはプリンス・バスター、カウント・オジー、ビッグ・ユース、U・ロイ、ディリンジャー、イエローマン、マトゥンビ、アスワド、リントン・クウェシ・ジョンソンあたりを聴いていた。
んでなんとなくウェブを検索してたら、気になるCDを発見。

On Bond Street

On Bond Street

ビティ・マクリーンは'93年のヒット曲「It Keeps Rainin'」で知られるUKのレゲエ・シンガー。詳細はオーバーヒートのこのページが詳しい。
http://www.overheat.com/bitty/bitty.html
これ読んでたら、ここで紹介されている'05年のアルバム『On Bond Street』がむしょうに聴きたくなったので、下北沢の中古レコード屋を物色してたら、ありました!
〈トレジャー・アイル〉の音源を使ったトラックにビティの甘酸っぱいヴォーカルと故トミー・マクック(スーパー・ソニックス/スカタライツ)のサックスが乗る、新品なのにヴィンテージ・テイストたっぷりのロック・ステディ・アルバム。いちど聴き終えたあと迷わずリピートして聴いた。俺はリスナーとしては相当すれっからしなタチなので、こんなことは珍しくて自分でも驚いた。おすすめです。