MGヴィクトリーガンダム前夜祭

機動戦士Vガンダム』(1993〜94年)の主役機、ヴィクトリーガンダムが、12月25日、ついにマスターグレードで発売される。


1979年から続く「ガンダム」シリーズが抱え込んできた、「戦争をロボットアニメで描く」という行為の矛盾と歪みがついに露呈し、ジャンクな現実がむき出しの暴力と狂気を暴き出す。『Vガンダム』はそんな作品だ。
ガンダムの世界では子供が人殺しをする」という残酷な事実を、富野由悠季自身が自分と観客にぶつけ、劇中では規範の喪失(ワタリー・ギラ)、マーケティングマーチャンダイジングの肥大(バイク戦艦)、スピリチュアリズムの台頭(マリア主義)、親子関係の崩壊(ハンゲルグ/ミューラとウッソの関係)といった当時の世相を反映した描写があちこちに現れる。
地味で重苦しい作品だが俺は好きだ。レンタルビデオで3回、DVDで5回見た。ただ一般的にはあまり人気がないので、主役機ヴィクトリーガンダムマスターグレード化は絶望的だと思われていたのだ。バンダイの快挙に拍手したい。長年のVガン愛が報われた思いである。いやーめでたいめでたい。


そんなわけで、いままで作ってきたVガンのモビルスーツたちを紹介しよう。

1/100 Vガンダム


黄色いポリキャップ、険しい顔つき、プロポーションがイマイチ、など欠点はあれど、基本的にはとてもできのいいキット。何個も作った。

1/100 V2ガンダム


ちょっと華奢だがシャープな造形がすばらしい。肩関節をボールジョイントに変更、後部スカートを裏打ちしてディテールを追加した。

1/144 リグシャッコー


そのまま組むと顔がブサイクなのだが、HJ別冊を参考に幅詰めすると見違えるほどかっこよくなる。

1/144 コンティオ


Vフレーム(1/144Vガンシリーズ共通のポリフレーム)のせいでボディの幅が狭いのが残念だが、それ以外はよくできている。塗装はアクリルガッシュ

1/144 トムリアット


このシリーズ(ゾロアット、ゾリディア、トムリアット)は、基本的にはどれもできがいい。HJ別冊を参考に、顔のモールドをデザインナイフで彫りなおす作業に没頭した記憶がある。


なお、『機動戦士Vガンダム』に関してはこの本が詳しい。名著です。

それがVガンダムだ―機動戦士Vガンダム徹底ガイドブック

それがVガンダムだ―機動戦士Vガンダム徹底ガイドブック