以前から「ふなずしを食べてみたい」と思っていた。
発酵食品の権威、小泉武夫先生も絶賛しているし、
山岡士郎も「うまいんだぜ」とかほめてたような記憶がおぼろげにある。
そんなことを日ごろぶつぶつ言ってたら、
誕生祝いに妻が通販で買ってくれた。
ありがとう。
んでまあいそいそとパッケージを開けてみると、
まず強烈な発酵臭が鼻をつく。
「この臭さがいいんでしょ」と自分を説得しながら薄切りにして、
ひと口つまんでみる。
……なんじゃこりゃ?……
いままで食べたことがない味。
すごくしょっぱい。あと舌を刺す強烈な酸味。……腐ってる?
あとなんかへんな歯応え。硬いぞ。
これは……うまい……のか?
半信半疑で食べ進むうちに、
よく噛みしめるとほのかな旨みが口のなかに広がるのを感じる。
しかしながら手放しで「うまい!」という感じではない。
うーん、わからん……。
同封の説明書きを見ると「茶漬けにするとおいしい」と書いてあるので、
最後に残った何切れかをご飯にのせて、熱湯を注いで食べてみる。
これは……うまい!
硬かったふなの身がお湯でとろりと柔らかくなり、
いかの塩辛のような食感に。
しかもギュッと凝縮された旨みが溶けだしてきて、
官能的な味わいに変身!
しまった、最初っからお茶漬けにすればよかった……。
機会があったらまた食べてみたいなー。
だいたい、こういうクセのある食べ物って、
2回目、3回目のほうがおいしく感じるもんだし。
そんなわけで、39歳になりました。