栗本薫『ライク・ア・ローリングストーン』

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ライク・ア・ローリングストーン (文春文庫) | 栗本 薫 |本 | 通販 | Amazon

グイン・サーガ』『魔界水滸伝』で知られる故・栗本薫による70年代を舞台にした青春小説集。1984年刊。

 これ、高校の図書室(いま高校野球で話題の広島新庄!)にあったの借りて読んだのよね。『グイン・サーガ』好きだったし。

ところが中身はファンタジーのかけらもない孤独で無情な青春の蹉跌オンパレード。面食らったし衝撃的だったがむさぼるように読んだ。

最近、突然むしょうに読み返したくなって購入。
いま読むと当時の印象よりも何倍もむごたらしく救いがない。

いや、なくはないか。じわじわ魂を蝕む重苦しいカタルシスがあった。

 高校生のときは平気で読んでたけど、いまのほうがズシンとくる。あの頃は若かったから痛みや苦しみに耐性があったのかな。

 現在のマンガ、アニメブーム、コミケットとかああいうのともまた少し違った、根暗、というのでもない、イナカというかマジというか、七十年代安保とか屈折とか学生運動とかレゾン・デェトルとか、そういうもののまとわりついた時代だった。

 (あとがき)

このとき栗本薫30歳。若いのに完全に老成しとる。ああ天才だ天才だ。天才の所業としかいいようがない。
ナンシー・スパンゲン、シド・バレット、バタフィールド・ブルーズ・バンド、内田裕也宮谷一彦中上健次……


あなたがここにいてほしい。


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