ザ・ポインター・シスターズ(前編)

中学生の頃、深夜ラジオでボニー・ポインターの"Heaven"がかかっていたのがポインター・シスターズにまつわる最初の記憶。
大学生のときバンドで"Yes We Can Can"をやったのを思い出して、ひさしぶりに1stアルバムを聴いたら、これがなんともすばらしくて。

The Pointer Sisters - The Pointer Sisters (1973)

open.spotify.com昔ファンクにハマってた頃は"Yes We Can Can"ばっかり聴いてた。いろんな音楽を聴いたいまのほうが楽しめるね。
ハーモニーが完結せず4人全員でブルーノートをゆらぎ、たゆたい、鋭く刺す小刻みなダイナミズムがなんとも気持ちいい。

The Pointer Sisters - Live At The Opera House (1974)

open.spotify.comブルーノートは音階ではなくハーフとクォータートーンのあいだを下がって上がってベンドする領域だが、この空間と時間を縫うように繊細なコントロールと大胆なアタックで自由自在にスウィングする4人のハーモニーが得もいえぬ愉悦。ゴージャスでデリシャス。
まさかポインター・シスターズにハマる日が来るとは☺️

The Pointer Sisters - That's A Plenty (1974)

open.spotify.comむかし都内のレコード屋でよく見かけたけど他にもほしい盤が山ほどあって後まわしにしていた2nd。
ディキシーやジャイヴなどR&B以前のグッド・オールド・スタイルがふんだんにあしらわれていて音楽的にとても豊か。シスターズの奔放な歌唱とコーラスがまた見事で滋養分たっぷり。こりゃ聴かずに損してたな〜。
"Fairytale"は完全にカントリー。カーペンターズが歌っても似合いそう。
アートワークも素敵よねえ。このフォントなんつーんだろ。ソフト・マシーンの『Third』とおなじよね。

The Pointer Sisters - Steppin' (1975)

open.spotify.comのっけからミーターズ級のどヘヴィなファンク"How Long (Betcha' Got a Chick on the Side)"に度肝を抜かれる。
熟成され洗練された楽曲群を華麗に舞う四姉妹のハーモニーに魅了される至福のひととき🤩

The Pointer Sisters - Having A Party (1977)

open.spotify.comサム・クックのカヴァーで華やかにスウィングするタイトル・トラックで幕を開ける四人編成のシスターズ最終作。
ここまですべてドラムが固くてベースが太い! めちゃくちゃポップで開かれてるのに野太くてハードコアなんですよ。
スペイシーなヘヴィ・ファンク"Don't It Drive You Crazy"がお気に入り。

The Pointer Sisters - Energy (1978)

open.spotify.com三人になって最初のアルバム。クオリティは高いけどふつうのポップでロックなR&Bになっちゃったなーという印象。「なんだかローリング・ストーンズみたいだな」と思った。
……あー、バックはTOTOなのか。なるほど!

The Pointer Sisters - Priority (1979)

open.spotify.comおおー、これは完全に「ロック」ですよ、70sマナーの。
前作で「ストーンズみたい」って書いたけど、なんとストーンズのカヴァー"Happy"もある。
全編ハイクオリティで曲も演奏もいいし、これまでのシスターズの歩みや音楽史を踏まえて筋が通ってる感もある。おもしろい。

 

↓後編につづく

stonedlove.hatenablog.com